仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。
「勉強しないでいい。わからないことは俺が教えるから」
彼はそう耳元で囁く。それがこしょばくて仕方なかったのに………。
「……ひゃっ! 陽平くんっ!」
耳を噛まれて変な反応してしまった。恥ずかしい……絶対顔赤いよ。
私は陽平くんの目を見たら彼も私を見つめられて、彼から目が離せられない。
心臓の鼓動がとても早く聞こえる。それになんだか、2人だけの世界みたいだ………。
「……あ、あのおふたりさん。勝手にふたりの世界に入らないでよ!」
「え……」
「一応、ここ道の真ん中だよ……っ! 恥ずかしいじゃん!」
道の、真ん中……?
気がつけば、ギャラリーがたくさんいて驚く。
それに、もうさっき勝手に自由行動をしたふたりが帰って来ていた。