仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。



「じゃあねー陽愛ちゃん! おやすみ」

「おやすみなさい、今日はありがとうございました」


その後、悠介さんの車でお屋敷まで戻って来た。

……なんか久しぶりに外歩いたなぁ。


「……楽しめたか?」

「うん! ありがとう、陽平くん」


ずっと部屋の中だったから正直言ってつまらなかった。だから、今日は本当に楽しくて仕方がなかった。


「だけどなんで連れて行ってくれたの?」

「ずっと部屋の中にいたら退屈だろ? 毎年みんなで行くお祭りなら連れて行けると思ったんだよ」


嬉しいなぁ。
毎年のこととはいえ私を連れて行ってくれるなんて……しかも、日向に入ってるわけじゃないのに昇さんたちは一緒に行ってくれたことも。





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