仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。
彼らが学校へ出かけて行き、私も悠介さんの車に乗り込み一年ちょっと通った学校に向かった。
「……俺、コンビニの駐車場におるから終わったら連絡して。じゃあ行ってらっしゃい。頑張れ」
「うん、ありがとうございます。行ってきます!」
意を決して学校に入る。少し早い時間だからまだ生徒は少ない。私は迷うことなく理事長室に足を進めた。
コンコン─︎─︎─︎……「失礼します。朝倉です」
そう言うと、「どうぞ」と言われてドアを開けた。すると、年配の男性が社長椅子に座って私を見ていた。
「……待ってました、朝倉さん。」
待っていた……?
私は、早くやめてほしい存在だった?