モノクロリバーシブル
煙が晴れると、白髪に赤目の和服に身を包んだ男の子がいた。

「……弥勒?」

僕の言葉に、男の子は「そうだよ。久しぶりだね」と優しく微笑む。

「久しぶり……でも、その傷はどうしたの?というか、何で転生したの?」

弥勒に色々と聞きたいことがあるんだけど、その前に一番気になったことを問いかけた。

「……も、物の怪に……それで……っ」

そう言った瞬間、弥勒の体は吹き飛ぶ。それを母さんが受け止めた。母さんの周りには、青白い炎が飛んでいた。

「……あれは、陰陽術?いや、違う……」

そもそも、陰陽術にはあんな技は無かったはず。結界でもないし、式神でもないし、除霊とかでもない。

陰陽術は、この4つしか技は無いんだよな。

「春明、下がってなさい」

気が付けば、たくさんの物の怪が目の前にいた。

「早く!!」

僕は母さんの元に向かって走って、母さんの後ろに立つ。母さんは、僕の近くに弥勒を下ろすと、「この子を見てて」と僕に微笑んだ。

弥勒は、無言で母さんを見ている。

「……」

次の瞬間、母さんの姿は煙に包まれた。煙が晴れると、そこにいたのは母さんじゃなくて、大きな白い狐。周りには、青白い炎が飛んでいる。

『……出来れば、お前にはこの姿は見せたくなかった』
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