モノクロリバーシブル
異世界への扉を開け



「霹靂神(はたたがみ)」

雷の雨が、物の怪の群れに降り注ぐ。

あれから数日後の登校中、弥勒と一緒に通学路を歩いていたら物の怪の群れに遭遇してしまった。

「……弥勒。最近、物の怪の数多くない?」

何とかすべての物の怪を倒して、僕はその場から飛び退いて、弥勒の隣に着地する。

「……そうだね。これ、秋彦だよね。多分……」

「多分ね。早いとこ、秋彦を見つけないと……」

僕は月影丸を消して、弥勒をお札にすると、制服のポケットにお札を突っ込んで歩き始めた。



「……っ!」

授業中、物の怪の気配がして、僕は窓から外を覗いた。僕の席は窓際だから、外を見やすいんだよね。

……結構近くに……いる?

「……春明くん!」

「……っ!」

不意に声を掛けられて、僕の体はびくりと震える。声がした方を向くと、先生やクラスメイトがじっと僕を見ていた。……え?

「話、聞いてた?」

「……聞いてませんでした……」

「黒板に、この問題の答えを書いて」

先生に言われて、僕は慌てて立ち上がる。

……この気配……物の怪が、複数いるな。その中に、1つだけ異常なほど強い気配が1つ。

「……春明」

僕が歩いていると、近くの席に座っている潤に腕を引かれた。
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