モノクロリバーシブル
久しぶりの異世界で
「……懐かしいな」
辺りの景色を眺めながら、僕は呟く。この世界に来たことによって、潤の服装は変わっていた。
この世界の人から見たら、変だと思われないような服に。
「……とりあえず、寄りたいところがある」
僕らが扉をくぐって出てきたのは、僕らが住んでた町だった。自然と、足が動く。
「……ここだよ」
歩き続けると、大きな建物が見えてきた。ここでは、ギルドを結成したり、職業を変更したりできるんだ。
「こんにちは~……」
僕は扉を開けて、中に入る。その時、銀髪にピンク目の彼と目が合った。彼は、驚いた顔をする。
「……まぁ、急に現れたら驚くよね。久しぶりかな?ティア」
ティアに挨拶をすると、ティアは「は、春明……に、弥勒……?」と呟いた。
「うん。僕らはね、異世界へ転生したの。それでね……」
僕は、ティアに真実を話す。ティアは、真剣そうな顔で僕を見た。
「……そうだったんだ。そう言えば、さっき黒い塊を見たな……多分、まだこの近くにいるはず」
「ありがとう。ティア、また――」
「僕も行く!」
会えると良いね、と言いかけた時、ティアが僕の言葉を遮って言う。
「……ダメかな?」
ティアの表情を見たあと、僕は「分かったよ……」と深くため息を付いた。