モノクロリバーシブル
「あ、自分で優しいなんて言うんだ……僕、あのモンスターの攻撃で死んじゃったわけ?」

「そうじゃ。今なら出血大サービス!前世の記憶を残したまま、名前も自由自在、君の愛刀も来世で使えるようにして転生させてやろう。どうだ?今なら、なんと十万円!」

「高すぎだよ!てか、転生するだけでお金取るの!?」

僕は、思わずツッコミを入れる。

「良いツッコミをするな!」

「そんなことは無いよ。てか、話が逸れてるから!」

僕が言うと、神様はコホン、と咳払いをした。

「実はじゃな。お主に転生してもらう世界では、物の怪と呼ばれる悪霊がいる。それと戦うのが、陰陽師。陰陽術で悪霊を滅し、式神を操る職業じゃ」

急に真面目になったな……。

「わしのミスでお主を殺してしまったからな……お詫びに、と思うてのぅ。どうするんじゃ?またあの世界で生きるか、異世界で生きるか……」

「……僕、異世界で生きるよ」

僕の言葉に、神様は深く頷く。次の瞬間、僕の意識は途切れた。



僕が転生して、早16年。僕は、黒いローブを羽織って、僕の式神となった、和服に身を包んだ白髪に赤目の弥勒(みろく)と町を歩く。

弥勒は、実は前世でのギルメンで、僕と同じように転生したらしい。

「ねー、お母さん。あのお兄ちゃん、変な格好してる~!」
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