モノクロリバーシブル
そう言いながら、弥勒は苦笑する。え、何で苦笑してんの?

「……詳しくは、その時に聞きなよ。今日くらいに出てくるんじゃない?」

そう言って、弥勒は立ち上がった。



「春明殿」

誰かに呼ばれた気がして、僕は体を起こす。見たことのある光景に、僕は驚きを隠せなかった。

……ここって……。

「目を覚ましたか。わしじゃ……覚えとるか?」

白い髭のおじいさんが、僕の目の前に現れる。その姿に、見覚えがあった。

「……神様?」

「大大大大大正解じゃ!」

「大、付けすぎ!それで……どうして、僕をここへ呼んだの?」

「どうしてじゃったかの……?」

そう言って、神様は首を傾げる。

「……なんてな、嘘じゃ!」

「いや、嘘なのかよ!」

星マークを付ける勢いでそう言った神様に、僕は思わずツッコミを入れた。

「……そんなことより、お主に伝えたいことがあっての……春明殿と弥勒殿は、わしの力で異世界に転生したじゃろ?」

神様の言葉に、僕は首を縦に振る。

「……実は、お主ら以外にも、今お主らが住む世界へ転生させたのじゃ……じゃが、それは失敗に終わった」

「……」

「わしが転生させた魂は……今、お主の中で眠っておる。その魂が目を覚ました時、お前とそやつは入れ替わってしまう……つまり、お主は二重人格なのじゃ」
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