私は月夜に恋をする
「ほら、今日の夕飯は命の好きな唐揚げよ」
「やった!ありがとうお母さん」

正直に言うと、実は油っこいものが苦手だったりするのだが
彼女の得意料理である手前、食べないという訳にはいかずに出来るだけ美味しそうに口に運んでおかわりまでした。
胃が重たくてどうにかなってしまいそうだ。

「お風呂の準備が出来たけど、
......久しぶりに一緒に入らない?」

久しぶりもなにも、毎日こうやって聞いてくるのだから、
傷のことがバレているのではないかと内心ヒヤヒヤしてしまう。

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