私は月夜に恋をする
「ううん、大丈夫。1人で入れるよ」
「そう......分かったわ。また今度にしましょうね」
「うん」

"今度"なんてないのに。
しゅんとする母親に罪悪感を覚えながらも脱衣所に向かった。

内側からきちんと鍵を掛けたのを確認して服を脱ぎだす。

「酷い傷跡」

大きな鏡に映し出された青紫色に腫れ上がり、火傷の跡の残る醜い肌から目を背けた。
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