私は月夜に恋をする
彼のせいで私は人が、特に男の人が苦手だった。
あのごつい手に、
骨張った身体、強い力。
どうしたってあの男の事を思い出してしまって生きた心地がしなかった。

「皆、秋みたいに華奢だったら良いのに」

秋の身長は低いわけではないのだが、
私の頭一つ分抜いたぐらいで
男の人と言う割には随分華奢で少年という感じがしてあの男とは重ならないので
不思議と平気なのだ。

こんな事本人に言ったら、きっと拗ねてしまうのだろうけれど。






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