私は月夜に恋をする
「え、遠慮しときます」

そう言ったのに2人はまるで聞かずに
はしゃいで歩いていった陽介先輩のあとを追いかける形で
秋が私の手を引いて立たせて、
中庭へと歩き出す。

「命ちゃんの手は小さくて柔らかいね」
「セクハラ発言とちゃん付けと下の名前で呼ぶのやめて下さい深山先輩」
「注文が多いなぁ、そうだね、じゃあ中間を取って命って呼ぶ事にしようか」

何処が中間なのか......
手を引かれるままついて行くと、
中庭のフェンスの隙間を見つけた。
どうやらここから入るらしい。

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