私は月夜に恋をする
彼の手料理は母のより食べやすくて美味しい。餌付けされてるのではと疑うくらいには。
その器用さが羨ましく思ったが、彼の事だ。
きっと私達の為に調理本を読んだり、
勉強したりしてくれたのだろう。

「「美味しい」」

机の上に並べられた卵雑炊を口に運ぶと
なんとも言えない幸福感に包まれる。

「2人とも息ぴったりだ」

お腹を抱えて笑う秋の表情も、大分自然なものになってきた。

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