私は月夜に恋をする
自転車を引きながら隣を歩く秋を見上げる
改めて見ていると、
本当になぜ私のそばにいてくれるのかが分からなくなってきて、うつむいた。

「どうかした?」

立ち止まった私に秋が首を傾げた。

「秋は、どうして私に構うの?」

"ああ、そんな事"なんて言うから
私には大事な事だ。と軽く睨むと
ごめんねと軽く謝りながら、真っ暗になった夜空の月を見上げた。
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