私は月夜に恋をする
お風呂を借りてさっぱりした後は
彼の用意してくれた服を着る。
男の人の服なので丈が大分余ってしまうのと、服から香る秋の匂いに
あんなに苦しかった胸の痛みが和らいだ。

「秋、お風呂......ありがとう」
「いいよ。これぐらい。さぁ、おいで
髪の毛を乾かそうか」

その手にはドライヤーが握られており
彼がさしたのは自分の膝の上だった。

これは......

「い、いや、流石にそれは!!
自分でやるよ!?」
< 51 / 90 >

この作品をシェア

pagetop