私は月夜に恋をする
「逆上したり、しないかな」

大の男に暴れられてしまっては、
か弱い母と私だけでは到底敵わない。
もしそれで母にまで暴力を振るうようになってしまったら?
考えるだけでゾッとした。

「すぐ外にいるから、その時は呼んで。
これでも一応腕っぷしには自信があるからさ。それに男だし。
もしそれでもダメそうなら、今度こそ警察を呼ぶよ」

あまりにも拍子抜けした少年の朗らかな笑い声に、肩の力が抜けた。
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