私は月夜に恋をする
頭を離すと秋が悲しそうにため息をつきながら笑った。

「最初はね、ただ、体の中が少し痛くなるだけだったんだ。
でも、どんどんその痛みは増していって、ただ事じゃあないんだろうなって思うようになった。怖くて誰にも言えなかった。
けどさっき目覚めてすぐ、看護師さん達が話してるのを聞いて確信したよ。」

"僕、もう長くないんでしょ?"
彼のその言葉が深く胸に突き刺さった。
なんでそんな顔をするの
なんで笑っているの
目だけは笑ってない癖に。

零れた私の涙が、秋の涙の代わりにその頬を濡らしていく。
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