私は月夜に恋をする
「すまない、私達がくだらない喧嘩なんかしたばっかりに、お前に苦労させて」
「そのせいで病気にだって気づいてやれなかったのに、私達、両親失格ね」

謝るだけの両親を見つめる秋の瞳は、
あくまで穏やかなままで、
この人はもう自分の運命を受け入れてしまったんだ。となんとも言えない気持ちになった。

「僕の方こそ、勝手に居なくなってごめん
でも、後悔なんかしてないよ。
そのお陰で東岡高等学校に入れたし、
命や陽介......僕にとって大事な人達と出逢えた。だから謝らないで、ほら、頭を上げて」
「ありがとう。秋」
「大きくなったわね......」
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