私は月夜に恋をする
例えば魚を釣りに行ったり、
他の部活に参加したり、
3人で遊園地に行ってみたり、
図書館に籠って気になっていた本をよんでみたり、
先生をからかって怒らせてみたり、
本当に色んな事をした。

毎日病院に通いながら。
薬の副作用である強い眠気に耐えながら。
それでも笑ったりはしゃいだりして懸命に生きる秋は今までで1番いきいきとしていた。

けれども秋は、私と少しだけ距離を取るようになった。
消して2人きりにはならず、
直接触れ合う事もせず、
以前向けられていた優し気な表情はなく、
代わりに寂しそうな瞳をして、それでも私のそばにいる。
< 75 / 90 >

この作品をシェア

pagetop