私は月夜に恋をする
やっと彼の事が好きなのだと気づけたのに
一緒にいられることがたまらなく嬉しいのに
その瞳を向けられる事が悲しかった。

ある夜、陽介先輩から連絡があった。
『今から屋上に来れないか?秋も居るんだけど』
2人だけの秘密のばしょだったのに、
少しだけガッカリしながら
『すぐに行きます』と返信をして
身支度を整える。

「秋と先輩のところに行ってきます」
「気をつけていってらっしゃい」

事情を知る母は、何も聞かずにそれだけ言って見送ってくれた。
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