私は月夜に恋をする
夜に冷えた冷たいそよ風が頬を撫でた。
その問いに秋は私から目をそらす。

「嫌いだよ」

"そっか"頷いて彼の次の言葉を待つ。
秋は嫌いな人とわざわざ一緒にいるほどお人好しじゃないから。
自惚れかもしれないけれど。

「嫌いだよ、こんな自分。
諦めようと思ったのに、諦めらめたほうが命の為にるって分かってるのに
......どうしようもなく焦がれてる。」

"命"
優しい声が愛おしそうに私の名を呼ぶ。
< 78 / 90 >

この作品をシェア

pagetop