ずっと君を、信じてる。






「…私は、西本紗奈です。龍蝶の元姫です」


あえて、「よろしくお願いします」とは言わなかった。

その言葉に楓と下っ端の子は顔を歪めた。そりゃそうだ。私を元姫にした張本人たちなんだから。
でも私は、気づかないふりをした。

朱音が真剣な顔をして私を見た。その瞬間、空気が変わった。



「…なぁ、紗奈。」


彼が意を決して、私に言った。


「俺たちは、暴走族の舞花。舞花の姫として紗奈を迎え入れたい。」


私は、友達としての綾城くんなら信じてる。けど、友達としてじゃない関係で信じるなんて出来ない。

もう、あんな思い…したくない。
だから私は逃げた。



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