ずっと君を、信じてる。


「…だから朱音。

中途半端なことするな。

紗奈のこと頼んだよ。俺には無理だったけど、朱音なら大丈夫だと思う。

だからさ、よろしくな。」


そう言って立ち去ろうとしたんだけど紗奈に引き止められた。


「…海くん。ありがとう。

でも、私…海くんにたくさん助けてもらったよ。

あの日、言ってくれたじゃん。

『大丈夫、俺らがずっとそばにいるから』って。

嬉しかった、ほんとありがとう。

海くん大好きっ!」


紗奈が笑って俺に言った。

ずっと見たかった笑顔でありがとうって言ってくれて嬉しかったけど、それが息子の朱音が引き出したんならちょっと悔しいと思った。

だけど、紗玖が言った世界一可愛い娘俺のこと大好きって言ってくれたんだよ。

……羨ましいだろ、なぁ…紗玖?

< 74 / 146 >

この作品をシェア

pagetop