強くなりたい
「僕が仲良くなりたいの、ひー だし」
思わず本音が口から飛び出した。
キョトンとしている響。
「分かった分かった」
にへっ、と柔らかな笑顔で、僕の頭をワシャワシャとかき乱した響。
「髪、ぐしゃぐしゃ…」
「今度の休みに、いぶの家に行くから。ゲームでも持って。そんで親睦を深めっか」
「………うん」
響と遊ぶのは、楽しいから嬉しいけど。
欲を言えば、もっと…、こう。
「デート?」
「あ?」
あ、口に出てた!?
「ふっ、ハハッ!」
響がケラケラと笑ってる。
「デートって!何言ってんだよ、いぶ。デートっつーのは恋仲の男女がするもんだろ」
「別に、何でもないし」
何だか釈然としなくて、慌てて弁解する。
常に余裕な響に、イラッとする。
僕は、響がこんなに好きなのに。