ワタシはロボット 第1話
ワタシ…ダメだなぁ…。
人間サマの役に立てるなら壊れても電池が切れてもいい、とか思っておきながら、やっぱり壊れるのが怖いなんて。
ワタシなんて、ロボットなんだから…機械なんだから、代わりなんていっぱいいる。
そんなこと、わかってるのに…壊れたくないってどうしても思っちゃう自分がいる。
『死んだかと思ったからだろ!』
ワタシは、死ねない。
ロボットだから、壊れることしかできない。
死ぬことができるのは、人間だけ。
「死にませんよ。壊れるだけ」
そう…誰にも悲しまれることなく…ひっそりと…。
自嘲気味にそう言って笑うと、ご主人様(伊織様のお母様のこと)と伊織様は「は?」と声を合わせて訝しげ(いぶかしげ)な顔をした。
「…?」
小さく首をかしげると、2人はさらに訝しげな表情をする。
「…なんで今、そんな笑えんだよ…。なんで…お前より俺らの方が悲しんでんだよ…。お前には悲しむ脳も、権利もあるだろ!」
「え…?」
伊織様、なんで怒って…。
「そうよ」
ご主人様…?