ワタシはロボット 第1話
「あのね、あなたを買ったのは私がなかなか伊織の側(そば)にいてあげられないからなの。だから伊織を悲しませないで」
さっきまで笑ってたのに…なんでそんな怒り気味な表情に…?
「あの…なんで怒って…?」
「はぁっ⁉︎」
伊織様が一際(ひときわ)大きな声をあげる。
隣の病室にいたロボットから「うるさい」とクレームがきた。
「心配してるからだろ!」
え…?
「…心配…?」
これが…「シンパイ」…心配って言うの…?
「っ…」
「シンパイ」って…暖かい…。
「うああ…っ」
そして…これが…「ナミダ」?
「ナミダ」…涙…嬉しい、涙…。
これがワタシの初めての「ナミダ」…。
ワタシにも、「ナミダ」出せるんだ…。
こんなワタシでも泣いても…いいんだ…。
「ああ…っ」
とめどなく溢れ出てくる「ナミダ」。
「うああぁ…ん…」
今、初めて学んだ。
「ナミダ」って…こうなると止められないんだね…。
「ああぁぁ…」
泣き崩れるワタシの背中をさすってくれたのは…ご主人様と伊織様の手。