結婚前提で頼む~一途な御曹司の強引な求愛~
さあ、このあたりで再確認です。
ふたりでラーメンを食べに来ておいて、今更ですが……。

やっぱり、私と榛名先輩、付き合ってたね!うん、榛名先輩、私のことめちゃくちゃ好きなオーラだしてるじゃん!

なるほどね。職場ではあくまで態度を変えないのね。そして、オフィスを出たらこうなのね。はは~、なるほどなるほど。アテは外れた感はあるけど、先輩も交際に慣れれば判定甘くなるかもしれないし、期待はしていいよね。
ともかく、先輩が私と交際しているのが間違いないなら良しとしましょう!

「榛名先輩、また来ましょうね」
「行永、提案がある」

先輩が低い声で言う。

「ふたりのときは名前で呼び合わないか?」
「ふえ!?名前!」

私はびっくりして叫んだ。騒がしい店内でよかった。

「嫌か?」
「嫌じゃ、ないですよ!」

嫌じゃないけど、恥ずかしいよね。あと、私絶対会社で呼び間違えるヤツ。やめといた方が無難な気がするけど、断るのも気まずいよなあ。

「す、傑さん」

私は箸を置いて、極々小さな声で呼んだ。そろりと横を向くと、榛名先輩が真っ直ぐな目で私を見つめている。

「里乃子」

うう、すごい。顔が良い。イケメンからの名前呼び。攻撃力すっごい。
呼び終えてから、先輩はうつむき加減に顔をそらし、本当にわずかに微笑んだ。
はい!本日初めての笑顔をいただきました!

「少し照れるな」
「は、はい。照れますね!」

そして、私としましてはオフィスで名前呼びしちゃわないように、心の中では榛名先輩呼びを継続させていただこうと思います!

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