結婚前提で頼む~一途な御曹司の強引な求愛~
もう色々頭がパンク状態の私は、視線をうろうろさまよわせ、どんな反応をしていいのかわからなくなった。とりあえず粗相の詫びに、ぺこっと頭を下げる。
「……勘違いでした。すみません」
「わかればいい」
「押しかけてすみません。あの……できたら、このまま聞いてください」
先輩は動かない。黙っているけれど、対話を拒絶する気はないようだ。私は顔をあげ、榛名先輩を真っ直ぐ見上げた。
「榛名先輩、申し訳ありませんでした。あなたに告白されて、私は下心を持って付き合いました」
告白しながら情けなさに涙が滲んできた。
「自販機前で聞いたことはだいたい本当です。誰とも付き合ったことがないので、一度くらい恋愛してみてもいい。それが榛名先輩みたいに格好いい人だったらいい思い出になると思いました」
榛名先輩は黙って私の話を聞いてくれている。表情に変化はない。
「付き合ったら仕事で怒られる回数が減るんじゃないか。甘くなるんじゃないかと期待しました。私、榛名先輩のこと、すごく怖かったので」
「そうだろう。おまえに恐れられていると知りながら告白した俺が悪い。だから謝罪の必要はない」
顔をそむけ身体をエントランスに向けようとする榛名先輩の右腕をがしっと掴んだ。
駄目、まだちゃんと言えていない。
「だけど、あなたを好きになってしまいました!」
私は怒鳴るように言った。どうしても伝えたい気持ちがある。なかったことにはできない。
「……勘違いでした。すみません」
「わかればいい」
「押しかけてすみません。あの……できたら、このまま聞いてください」
先輩は動かない。黙っているけれど、対話を拒絶する気はないようだ。私は顔をあげ、榛名先輩を真っ直ぐ見上げた。
「榛名先輩、申し訳ありませんでした。あなたに告白されて、私は下心を持って付き合いました」
告白しながら情けなさに涙が滲んできた。
「自販機前で聞いたことはだいたい本当です。誰とも付き合ったことがないので、一度くらい恋愛してみてもいい。それが榛名先輩みたいに格好いい人だったらいい思い出になると思いました」
榛名先輩は黙って私の話を聞いてくれている。表情に変化はない。
「付き合ったら仕事で怒られる回数が減るんじゃないか。甘くなるんじゃないかと期待しました。私、榛名先輩のこと、すごく怖かったので」
「そうだろう。おまえに恐れられていると知りながら告白した俺が悪い。だから謝罪の必要はない」
顔をそむけ身体をエントランスに向けようとする榛名先輩の右腕をがしっと掴んだ。
駄目、まだちゃんと言えていない。
「だけど、あなたを好きになってしまいました!」
私は怒鳴るように言った。どうしても伝えたい気持ちがある。なかったことにはできない。