王様のきらいなもの。




毎日毎日、人参料理を入れ続け…

そして、いつものように「どうだった⁈」なんて聞いた。


まぁ今日も「人参は入れるなって言っただろ」と、一言余計だなぁ…って


「おまえの人参なら食えるかも…」


「あーはいはい。え、今なんて?」

今、人参食えるって言った⁈



「だから…」


「おまえの人参なら食える!…」


そして、侑空は口を耳元に近づけて囁いた。


「おまえの人参なら好きだ。」

侑空が微笑んだから、私も微笑んで


「じゃあ、今日はたくさん人参料理作らなきゃだね!」


いたずらっ子のように言ってみると、


「え…それは勘弁。」


「ははっ、じゃあ人参食べられるようになったから好きなもの作るよ。なにがいい?」





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