それでも恋をやめない
彼はお昼休みになるといつも図書室で本を読んでいる。

初めてそれを親友の瑠璃奈(るりな)から聴いた真意子は、その日のお昼休みは早々に弁当の中身を完食してから、すぐに礼二が居る図書室へ向かう。

ひとりで行く勇気が無かったので親友の瑠璃奈と一緒に行った。

先頭に立つ瑠璃奈が、静かに図書室のドアを開け、あとから来た真意子は静かにドアを閉めて、瑠璃奈と一緒に書棚のかげに隠れて、本とわずかな隙間(すきま)から礼二をじっと覗き見る。

そっと静かに見ている先に、長身痩躯の清潔感があり、理知的な印象の満月礼二が、
椅子(いす)に座って本を読んでいる。

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