それでも恋をやめない
小声で瑠璃奈が呟く。

「今なら誰も居ないし、告白しちゃえば?」

ぺしっと真意子は瑠璃奈の肩を叩くと、小声で呟き返した。

「いや、まだまだ早いよ」

真意子はじっと礼二の読書する姿を覗き見つめながら言う。

「今はただただ、彼のことを観察してるだけで幸せなの」

そう、彼がひとりで読書している姿だけでも、じっとただただ見ているだけでキュンとしているこのつかの間の時間がとても素敵な瞬間なのだ、真意子にとっては。


すると、ガラッとドアが開く音が響く。
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