それでも恋をやめない
入ってきたのは礼二の彼女・(らん)だ。特徴的な結んだピンクと淡いブルーのインナーカラーのポニーテールを、窓からふわりと吹き込んでくる風に揺られて、礼二の隣の席に腰かけた。

瑠璃奈がまた呟く。

「でたよ、満月礼二の彼女の龍音寺 蘭(りゅうおんじ らん)

「しーっ。聴こえてバレたらどうするの」

真意子たちと礼二たちの距離はおよそ3メートルはある。

「大丈夫、これくらい小声なら聴こえないっしょ」

余裕しゃくしゃくに言う瑠璃奈。

すると、ドアがまたガラリと開かれた。
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