それでも恋をやめない
現れたのは瑠璃奈と真意子の担任の先生だ。
「おーい、瑠璃奈は居るか?」
瑠璃奈と真意子は音もなく素早く数多くの書棚の奥の死角に隠れた。
蘭と礼二が自分たちの周囲を見回すが、誰も居ないと確認すると、
「そうか、見つけたら言っといてくれ、先週の課題を早く提出しに来いとな」
とだけ言って、担任は図書室のドアを閉めて去って行った。
安堵した真意子たちが再び静かに移動して書棚の陰から礼二たちを覗き見ていると、意外にも真意子はその場を立ち去ろうとする。
「私、もう教室戻るね」
「えっ? もういいの? 満月礼二をここまで間近に見られるのは今だけだと思うよ」
本当にいいの? と聞かれたが、それでも
「私が本当に見ていたいのは、礼二くんひとりの時だって、今気付いたから。じゃあ、お先に」
と言い、瑠璃奈の手を振りきって無音のまま図書室を出て、教室までダッシュした。
あとから瑠璃奈が追いかけるも、次の予鈴のチャイムが鳴ってしまう。
「おーい、瑠璃奈は居るか?」
瑠璃奈と真意子は音もなく素早く数多くの書棚の奥の死角に隠れた。
蘭と礼二が自分たちの周囲を見回すが、誰も居ないと確認すると、
「そうか、見つけたら言っといてくれ、先週の課題を早く提出しに来いとな」
とだけ言って、担任は図書室のドアを閉めて去って行った。
安堵した真意子たちが再び静かに移動して書棚の陰から礼二たちを覗き見ていると、意外にも真意子はその場を立ち去ろうとする。
「私、もう教室戻るね」
「えっ? もういいの? 満月礼二をここまで間近に見られるのは今だけだと思うよ」
本当にいいの? と聞かれたが、それでも
「私が本当に見ていたいのは、礼二くんひとりの時だって、今気付いたから。じゃあ、お先に」
と言い、瑠璃奈の手を振りきって無音のまま図書室を出て、教室までダッシュした。
あとから瑠璃奈が追いかけるも、次の予鈴のチャイムが鳴ってしまう。