それでも恋をやめない
「お母さんも真意子と同じ頃、好きな人に彼女が居たんだけど、好きな人が卒業式前に引っ越しちゃって、告白の機会を失ったの。お母さん、それが今でも悔しくて、つらくなるのよ。ずっとずっと、後悔してる」

だから、と、百合恵。

「自分の娘にまでこんな悔しい思いはしてほしくないのよ」

真意子の両手が母の手に優しく包まれる。

「応援してるわ、お母さんは」

「ありがとう、お母さん」

「お母さんだけは、真意子の味方だから」

「第二ボタン、貰えるかわからないけど、
この想いだけは伝えてみるね、お母さん」

「その調子よ、真意子」

その後、真意子は妄想して就寝した。
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