アンサンブル ~翔

開業資金を 調達してもらって まだ2年も経っていないのに。

恐縮する奈緒に、
 


「奈緒ちゃん 俺達も できないことはしないから。大丈夫。うちの財産は このくらいでは なくならないから。」

と樹は笑う。


「私、どうやって お礼をすればいいのか わからない。」

翔の家族の 温かさに 奈緒は 涙を滲ませる。
 

「みんなが できることを すればいいんだよ。奈緒ちゃんは 自分の仕事を 頑張ればいいの。」

父の言葉に、奈緒は頷く。
 

< 104 / 112 >

この作品をシェア

pagetop