アンサンブル ~翔
「奈緒。俺と 結婚して下さい。」
一度上を向いて 呼吸を整えた後で 翔は一気に言う。
「はい。喜んで。」
奈緒は大きく頷く。
翔も 優しい笑顔で 奈緒を見つめて頷く。
やっと言えたから。
一緒に暮らし始めて、まもなく2年になる。
何も言わない翔の 気持ちを理解して、付いて来てくれた奈緒。
翔は そっと抱きしめて キスをする。
「指輪、最高に豪華なの、買ってね。」
唇を離した奈緒は言う。
甘く頷く翔は、そっと 奈緒の頭と撫でた。