アンサンブル ~翔

「無理だよ。命が かかっているんだよ。」

奈緒は強く言う。

翔はフッと笑いながら、
 

「そうだよね。俺も そう思うけど。だから 駄目なのかな とも思うよ、最近。中村みたいに 患者さんのこと お客さんって 言えるようにならないと。」


翔は、久しぶりに 本音で話している 自分に気付く。


そして、少しだけ 気持ちが 楽になっていることにも。
 


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