青春ヒロイズム


庇った女の子が村田さんだったことは正直あやふやだけど、なんとなく、女の子を揶揄ってた男子たちにケンカを売るようなことを言った記憶はある。


『こんなの、私もよゆーで持てるけど。そんなふうに意地悪言わなきゃ女の子の気が引けないなんて、あんたたち、ダサ』

みたいなことを言って、顔を真っ赤にした男子たちに睨まれて「うっせぇ」とか言い返されたような。

それで男子たちが走って逃げていって、庇った女の子にお礼を言われたけど。

そういうことを言って男子を蹴散らしたりするのは、小学生の私には日常茶飯事だった。


毎年ではないけどよく学級委員もやってたし、口がたつほうだったから特に男子との口ゲンカには絶対負けなかったし。

学校のルールに違反するようなことをしていたやつのことは、問答無用で先生にチクってた。

同級生だった悪ガキ男子たちにとって、私は生意気で嫌な女子だったに違いない。

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