青春ヒロイズム


「何かある度に俺ら……特に俺に対してよく突っかかってきてそんないい印象はなかったし、正直ちょっとウザいとか思うときもあったけど。深谷はそういうことするやつではないと思ってたから、マジでムカついた」

初めて耳にする星野くんの話に、ただ愕然とする。

その話を聞いて、卒業式当日に勇気を出して星野くんに話しかけに行こうとして、あからさまに顔を逸らされたことに合点がいった。


そっか。そんなことがあったなら、嫌われて当たり前だ。

冷たい目で睨まれたり、無視されたりしても仕方ない。


「嫌な気持ちにさせてごめん。そんなことあったんだから、覚えてないって……忘れたって言われて当然だよ」

最後までなんの言い訳もせずに話を聞いていた私を、星野くんが訝しむように見つめる。


「じゃぁ、やっぱり深谷が────……」
「ごめん、星野くん。でもそれ、私じゃない」

きっぱりと否定すると、一瞬険しくなりかけた星野くんの表情が和らいだ。

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