青春ヒロイズム


私の既読が付いたからか、続け様にナルからのメッセージが二件届く。

一件は、私も馴染みのある地元の駅前のバーガーショップで撮った写真。

そこに写っていたのは、お店の椅子に座ってスマホを弄っている星野くん。

それだけでも私が受けた衝撃は相当なのに、合わせて届いたもう一件のメッセージに全身の血の気が引いた。


『友が今の学校に編入してきた理由、星野くんは何も知らなかったんだね』

ナルからの意味深なメッセージはそれで終わった。

最後のナルのメッセージには、彼女が星野くんに前の学校で私たちの間に起きた「あのこと」を話したかどうかまでは書かれていない。

でもナルは、花火大会で会ったときに私たちの前で「傷害事件」という言葉を口にしたり、こんなふうに星野くんと会ったことを報告して写真まで送りつけてくるような性格だ。

星野くんに何も話していない、なんてことはあり得ないだろう。


茫然とナルからのメッセージ見つめる私の手の中で、また新着メッセージを受信したスマホが震える。


< 164 / 214 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop