青春ヒロイズム
「え?だって星野くんが話したかったのは、前の学校で起きたことだったんじゃ……」
「それは、今西からタイミングの悪いメッセージがきたから深谷が勝手にそう思い込んだんじゃん。俺は花火大会で別れたあとから、深谷のケガが治ったら告ろうって決めてた」
星野くんにの言葉に、混乱した思考回路が少しずつ整理され始めていく。
そういえば、前の学校で起きたことを話し終えたあと、星野くんが「夏休みムダにした」とか「一回仕切り直し」とか言ってたけど。それはつまり、こういうことか。
いつの間にか、私に対する星野くんの態度が優しくなったような気はしてたけど。
嫌われてても好かれてるはずないと思ってた。
でも、私を好きって……
「星野くん。それ、いつから?」
どのタイミングで?
「知るか、そんなの。気付いたらだよ」
瞬きして問いかける私に、星野くんが照れ臭そうに顔をそらす。
それからちらっと視線だけを私に向けると、少し不安げに見つめてきた。