青春ヒロイズム
村田さんたちが行ってしまうと、急に周りが静かになる。
他のグループの席を見ると、いつの間にかバーベキュー用のベンチの周りからは人気がなくなっている。
バーベキューを食べ終わったあとは、みんなそれぞれ友達同士でキャンプ場内を散策しているみたいだった。
遠くから聞こえてくる楽しそうな笑い声を聞きながら、ぼーっとバーベキューの残り火を見つめる。
しばらくそうしていると、ベンチの周りが使い終わった食器や調理器具で散らかっていることに気が付いた。
まだ静かに燃えている炭火だって、もう必要ない。
暇だし、片付けとこうかな。
ぼっちで座ってるより、片付けでもして動いているほうが目立たないような気がする。
私は立ち上がると、グループごとに配られたゴミ袋に使用済みの紙皿や紙コップ、割り箸を入れた。
それから、使った飯盒やお肉や野菜が入れてあったトレー、トングなどの調理器具を炊事場に運ぶ。