0センチの境界線
待って、いま家って言った?
教科書をしまう動きがフリーズする。
「だって、凪紗、雛んち行ったことないじゃん」
そうだけど、確かにそうだけど。
「うんうん!ひななんが寮生活ってのは知ってたけど、行ったことないし、行こうよってことねんが」
琴音!自分んち呼ぶみたいになぎちゃん誘わないでよ!?
「雛ー?いいじゃん、話したいこともあるしお家連れてってよ」
「あ、いや、いいんだよ、とってもいいんだけど…」