0センチの境界線


■□■


「これ、プリン」

「えっ!いいの?」

「うん、りんねー………じゃなくて、えんと、わたしのルームメイト?がお友達にって、」



時刻は5時すぎ。わたしの部屋。

りんねーからのプリンを嬉しそうに食べ始めようとする琴音となぎちゃん。そしてわたし。


ヤツが帰宅するまでの、タイムリミットは1時間半くらい?

何とかそれまでに琴音となぎちゃんをお家に帰す。

それがわたしのミッション。



「ひななん、こんないい所に住んでるんだねー!いいなー!ルームシェアとか憧れるー」

「うん、わたしには勿体ないくらい、いい所だよ!」



ハシ先輩は綺麗で眼福だし。
前田くんは優しくてかっこよくて眼福だし。
りんねーの作るご飯は美味しいし。
ヤマさんは完璧だし。


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