0センチの境界線


「ルームメイトもいい人ばっかなんだよ!例えば、3号室の……「雛、その話はあとで聞くから。それより、宮くんのことなんだけど」

「んへっ?」



上擦った声が出た。

ノーガードでグーパンされたような、そんな衝撃。



「なんかあったよね?絶対、」

「えっ、いや。ナイナイナイナイ!ナイ!」



頭が取れるんじゃないかってくらいに、首を横に振る。



「ひななんー?」

「もう吐きな?無理だよ、ウチらに隠し通すの」

「ナイナイ!ないんです!」

「照れたって無駄だよー?」

「断じて!断じて何も!」



全部わかったみたいなふたりの声。

待って、いつバレちゃったの?頑張って隠してたのに?

緊張で心臓がバックバック。



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