0センチの境界線


夜ご飯のあと。飛鳥の部屋。

入っていきなり正座したわたしを、呆れるように見下ろす飛鳥。



「てか、部屋はいんなって言ったの忘れたわけ?バカだろ」

「待って、今まとめてるの。黙って」

「はあ!?」



なんて謝れば。

緊張がほぐれて、うっかり話しちゃいました?
頭振りすぎてグァングァンして、うっかり話しちゃいました?

どんな理由並べても、自分がアホすぎることは確かだ。



「あの、ですね」



恐る恐る言葉を紡ぐ。

飛鳥のほうちらってみたら、やっぱり呆れた顔してる。



「琴音となぎちゃん、今日家きたの。それで、りんねーが作ってくれたプリン、みんなで食べたの」

「うん、」

「プリン美味しかった」

「………ごめん、俺何聞かされてんの?」


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