0センチの境界線
「いっ、いひゃい!」
飛鳥の手のひらが、両頬をつねる。
おでこもいたけりゃ頬もいたい。
これじゃあ、顔中痛くなっちゃうよ。
「なんだよ、頭振って言ったって。どんな日本語だよ!お前は保育園児よりも日本語ヘタクソか!」
「い、いひゃい、いひゃいよ、」
「主語!主語がないわけ!目的語もない!なんにもない!動詞しかねえよ!述語しかねえよ!バカ雛!」
「いひゃ、あしゅ、」
「国語イチからやり直せ!バーーーーーカ!」
ぱっと離された手のひら。
ヒリヒリ痛む頬を抑えて、大好きな決めゼリフバーカを言い終えた飛鳥を見る。
「………………なに?」