0センチの境界線
「ご、ごめんなさい。言うつもりはなくて、思わず、」
「別にいーじゃん。んなことかよ」
「ほんとにほんとにごめ……………え?怒ってない?」
ぽかん。たぶんわたしの口はあいてる。
だって、飛鳥が変なこと言うから。
「怒ってねえけど」
「え!?なんで!?言っちゃったんだよ!?」
「いや、俺言うなってお前に言ったことねえし」
「………確かに、」
「確かに、じゃねえよ」
そうじゃん。飛鳥、わたしに黙っとけとか言ったことない。
わたしが隠してって言ってたから黙ってただけだった!
言っちゃったことに焦りすぎて、飛鳥に怒られるって勘違いしてた。