0センチの境界線


「もう部屋戻るねーおやすみー」



間抜けな顔と間抜けな声でそう言ってから、雛は俺の部屋から出てった。

夏が近づいて、暑くなったから。雛はTシャツに短パンを履いてて。

さらけ出した素肌に、心臓がうるさくなってるっていうの。

雛には気づかれてませんように。









「モテ男が悩み?どしたん?」

「………モテ男じゃねえし」


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