0センチの境界線
「まあ、山之上さんはさ、男のコってのを知らないから仕方ないんじゃない?」
「………は?」
「だって、山之上さん今まで誰とも付き合ったことないって言ってたし」
「待てよ、なんでお前がそんなの知ってんの?」
佐々木は俺と同じクラスになったことない。
それはつまり、雛と同じクラスになったことがないっていう意味で。
ふたりに接点があるなんて思えない。
「え?入学式ん時に結構可愛い子いるなーって思って聞いた。彼氏いんの?って。そしたら、ビックリした顔して、今までいたことありません!って」
「…………………」